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「自分に自信がなかった人」が「自分に自信がない人」に向けて発信します。 ■就活■自分探しではなく、自分づくり■心理学/教育■おすすめ本紹介 4月から働きます。

「自分らしさ」よりも「自分作り」

以前「就活と本当なこと」という題名で詳しく書かせていただいたが、僕は、大学生活で自分を見失った。自分で人生を切り開いていく勇気が持てずに、就職活動を中断してしまった。自分では「一歩立ち止まって、『自分の軸』をしっかり作る必要がある。だから、一歩立ち止まるだけだ。」とそれほど深く考えていなかった。とはいえ、周りの友人からは、「就活から逃げているだけ」と思われていたみたいだ。(そもそも大学4年生になったら皆スーツを着て、就職活動をするのが普通だ、という価値観で染まっていることにも違和感だらけなのだが。。)今振り返って思うことは、自分の決断に全く後悔をしていないということ。なぜなら、たかが大学生活の数年で、「自分の軸」とか「自分らしさ」なんて決まらないことに気づけたからだ。

答えのないことに悩む経験は宝だと思う

一方で、「正解」や「答え」のないことに対峙する経験が出来て本当に良かったと思っている。大学生は、高校までの正解やあるべき姿が提示されている環境から抜け出せて、ある意味では「自由」な身になっている。その中で自分なりの「納得解」を見つけるプロセスを経験すること、つまり自分の内面と対話しながら、試行錯誤をすることで人間的に成長できると思う。芯の強い人間(体育会のマッチョ人間ではなく、思慮深く信念があるという意味)で本当の個性を持っている人になるには、「自己との対話」と試行錯誤の繰り返しの経験からしか得られないと思っている。

人との関わりで自分を作っていく

以前平田オリザさんの著書「わかりあえないことからーコミュニケーション能力とは何か」を読んで自分なりに思ったことがあった。
・人は周囲の人からの様々な役割や期待を受け入れ、苦しさや楽しさを同居させながら生きている。
・苦しさを感じる度に内面と向き合いながら、自分を作っていく。本当の自分はこれだ!と決めつけるのはナンセンスではないか。

冒頭で記述した気づきに戻るが、自分らしさとは丁寧に築いていくものである。そもそも、人間が「自分らしさ」を体得するためには、他者からのフィードバックが必要不可欠だ。「○○ちゃんはやさしいのね」と学校の先生に言われたり、「○○はリーダーシップあるよな」と友人に言われたりすることで初めて自覚できる。自分は○○だと思っていても、他人にそれを受け入れてもらえなければ、単なる思い込みだ。だからこそ、他者からのフィードバックによって、自分らしさは逐一修正されていくものだと思っている。それに、自分がどのように感じるかについてもインプット(自分の経験や知識、他人からの影響)によって変わってくる。インプットが変わればアウトプットも変わる。アウトプットが変わるということは、行動が変わるということだと思う。他者は行動や発言でその人らしさを判断するのだから、周りの人からの印象も変化する。

確かに高校生の自分と今の自分は感じ方も考えも全然違う。当たり前のことなんだけど、殊に「自分らしさ」となると身構えてしまう自分がいた。「変わらない何か」があると信じていたし、「変わらない自分」を曲げてはいけないと生意気にも思っていた。でも、変わっていく自分も含めた自分らしさを受け入れていったほうが、絶対に人生を楽しめると今は思っている。

最後に

これからも自分は変わっていく。振り返ってみれば長い間変わらない価値観も、もしかしたらあるかもしれない。でも結局大切なのは、変わっていく勇気と、内面と対話をして考えるような内省力だと思う。いろんな刺激を受けて、価値観を揺さぶり内省する機会を設けよう。ありきたりな結論になってしまうが、これは本質だと思う。だってそれさえあれば、逆境を乗り越えるための強い意志も育まれるのだから。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました。