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「仕事ができる」と「勉強ができる」の関連性について考えてみた

人的資本論シグナリング理論

人的資本論シグナリング理論という言葉がある。

人的資本論:大卒者は、学ぶことによって高卒者よりも人的資本が増大し、その分仕事で高いパフォーマンスが生み出せるという理論。そのため高卒者に比べ、高賃金が保証されるという理屈だ。

シグナリング理論:大卒者が4年間で人的資本を増やしたかどうかにかかわらず、大卒者ということが、入試を突破できる「チカラ」を持っていることの「シグナル」になるので、そのシグナルに基づいて雇う側は高賃金を設定するという理屈。ちまり、入試という競争に打ち勝ったという実績が、優秀さの根拠となっている。「大学全入時代」と言われる現代においては、「学歴」よりも「学校歴=偏差値」が参照されることが多い。

就職活動で社会人の方と話すことが多かったが、企業の採用担当者は「シグナリング理論」に基づいて、採用を行っている印象を受けた。実際、学校歴不問の採用ということで、大学名を聞かない採用活動を行った企業がある。1990年代初めのソニーだ。大学というシグナルに頼らずに採用活動を行った結果、内定者が圧倒的に有名大学に偏っていたという話がある。

やはり、偏差値を基準にする学校歴のシグナルは、「優秀さ」と強い相関があるみたいだ。

仕事ができるってどんな状態?

少し、話が逸れるが「仕事ができる人」とは一般的にどんな人を指しているのだろう?

僕は、準備力のある人だと思っている。そして、筋の良い準備力は、求められているアウトプットの基準を正確に把握し、逆算する能力に支えられている。

一部の天才と呼ばれる人がいたとする。その人は、カリスマ性や発想力を武器に世の中をあっと言わせるようなアウトプットを出すだろう。

だが、多くの人はそのようなスゴ技を求められない。求められる能力は、効率性と信頼性だと思う。要領よく、手際よく、物事を進められる人は頼れる。これが、身の回りにいる「デキル人」に共通する資質だ。

では、このような効率的で信頼できる人は何を意識しているのだろうか。それが、準備することだ。優先順位を意識し、準備する。優先順位をつけるためには、何が求められているかを正確に把握し、そこから逆算して準備する必要がある。

まとめると、「仕事ができる信頼出来て、手際が良い人」は
・しっかりと準備ができる。
・求められているアウトプットを正確に把握し、逆算することで、的確な優先順位付けをしている。
である。

ところで、勉強ができる人って?

ところで、勉強ができるタイプってどんな資質を持っている人達だろう?このことについても考えてみたい。
まず、勉強をしてテストで良い点数を取ったり、受験競争で勝ち抜いた人たちを見ていて、大きくタイプ分けできることに気が付いた。

①目的意識型:「○○大学合格」、「テストで〇点を取る」など目標を設定し。戦略的に勉強をするタイプ。

②自己追求型:好奇心に基づき勉強をする。場合によっては純粋な好奇心ではなく、「世界史ができる自分」や「帰国子女の自分」という自己イメージを守るために、とことん知識を深めたり、追求する。戦略性ではなくこだわりや好奇心に突き動かされている。

③ハイブリット型:①と②の2つの側面を合わせ持つ。

③のハイブリット型も一定数存在するが、①目的意識型もしくは②自己追求型がほとんどだろう。目的意識型はいわゆる「優等生」のイメージに近い。自己追求型は、ちょっと変わった人、研究者タイプのイメージだ。

仕事と勉強の関係について

ここまでの内容を整理して、勉強と仕事の関係について考えてみたい。

【仕事】
・しっかりと準備ができる。
・求められているアウトプットを正確に把握し、逆算することで、的確な優先順位付けをしている。
【勉強】
学校歴が高い←求められている能力、基準に対して、しっかりと準備することができた。

しっかりと求められていることを把握し、逆算して対策をするから、鮮烈な競争をくぐり抜け、合格、内定できる。そのような人は、誠実に仕事をこなすことが出来る可能性は高い。
しかし、ここで忘れないでおきたいことがある。学校歴が高い人の中には、前述した自己追求型の人材が含まれている。有名大学というシグナルを武器に、(運よく?)それなりの対策で、内定を勝ち取った人がいる。このような人は、要領よく仕事をこなすタイプではない場合が多い。いわゆる仕事が出来るタイプではない。

「あの人頭はいいけど、仕事はできないよね。」
「教養はあっても、仕事出来ないヤツ」

不幸にもこのようなネガティブなラベリングをされてしまう。

しかし、このような人は、置かれた環境・任される仕事内容によっては、爆発的な成果を出す。なぜなら、自己追求をとことんできる人材であるから。少々扱いにくい才能ではあるが、理解をしてくれる上司やメンターとの出会いによって、水を得た魚のような活躍をするはずだ。

いわゆる、「適材適所」が機能していないことが原因で、仕事を辞めていしまう「有名大学卒の仕事ができないというラベリングをされた、ポテンシャルのある人」はものすごく多い。

だからこそ面接や配属面談でその人の「肩書」ではなく、努力(今回の場合は勉強)のモチベーションや努力(勉強)のプロセスを見ることが大切だと思う。

終わりに

自己追求型の部下を抱える上司の方、自己追求型の人材は、「納得」にこだわります。本人のエンジンがかかる、やる気スイッチを押すようなサポートが必要です。そのヒントは過去の努力のプロセスにあります。
そして、職場でくすぶっている自己追求型のみなさま、自分自身の強みに目を向け、上司に伝えましょう。場合によっては仕事を変えることもあるかもしれません。でも、自分自身についてしっかりと理解さえできていれば、どこかに活躍の場はあります。

僕も、同じ自己追求型の人間です。頑張りましょう。




最後まで読んで下さり、ありがとうございました。